前回に続き、元塾講師の筆者が「最速の読書感想文の書き方」をご紹介します。
前回までの記事をまだ読んでいない方は、ぜひそちらを先にご覧ください。
今回は【実践編 2】ということで、実際に文章を作っていきます。
「作文は苦手」
「本は読んだが文章が思い浮かばない」
「とにかく全然進まない」
こんな方のお役に立つ内容です。
基本の構成や例文もご紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
読書感想文が完成するまでの流れ
読書感想文が完成するまでの流れを確認しましょう。これは毎回ご紹介している内容ですが、とても重要なのでもう一度見ておきます。
読書感想文が完成するまでの流れ
- 本を選ぶ
- 読書メモ作成
- 下書き ←今ココ!
- 清書
カレーで例えると・・・
- 食材を買う
- 食材を切る
- 鍋を火にかけて調理する ←今ココ!
- 美味しそうに盛り付ける
これが、わたしが考える最速の流れです。
本の選び方や読書メモ作成の記事をまだ見ていない方は、ぜひそちらを先にご覧ください。
今回は3の下書きの方法をご紹介します。
カレーライスでいうと、鍋を火にかけて調理するところ。
成功と失敗を分ける分岐点です。
重要な過程ですが、心配しなくて大丈夫。これからご紹介するポイントを押さえて進めていけば、ちゃんとできます。
安心してください。
準備するもの
必要なものは下の4つ。
- 本
- 前回の読書メモ
- 筆記用具
- 原稿用紙(下書き用。多めに準備。コピー可)
- 原稿用紙(提出用)
下の画像は、下書き用に準備した原稿用紙です。
学校で配られた提出用の原稿用紙を自宅のプリンターで印刷しました。B4は入りきらなかったので、半分ずつの印刷になっていますが、下書きなので問題なし。
文章を書き始める前にチェック!
文章を書き始める前に、質問です。
読書感想文、何文字くらい書く必要がありますか?
なぜこれをチェックしておかなければいけないかというと、文字数によって構成が変わるから。
学校のお知らせプリントなどで、まずは文字数をチェックしましょう。
ちなみに、読書感想文全国コンクールの応募要項はこのようになっています。
◇文字数については下記のとおりです。
・小学校低学年の部(1、2年生)本文 800字以内
・小学校中学年の部(3、4年生)本文1,200字以内
・小学校高学年の部(5、6年生)本文1,200字以内
読書感想文全国コンクール公式サイト (dokusyokansoubun.jp)
これ以上を求める学校はないでしょう。
読書感想文の構成【基本の書き方】
読書感想文を書こうと思っても、どういう構成で書けばいいのかわからないという方が多いと思います。
そこで、基本になる読書感想文の構成を考えました。これを文字数によってアレンジします。
- 0 この本を選んだ理由
- 1 心に残ったところ
なぜ心に残ったか - 2 自分の経験と重ねあわせる
そのときどう感じ、どういう行動を起こしたか - 3 本を読んで得た学び
これからどうしたいか
文字数が少ない場合の構成(500文字前後)
1~2年生はおそらく文字数をそんなにたくさん書かなくていいと思います。
ちなみに、小2の娘は低学年向けの原稿用紙2、3枚が目安。文字数にすると約440~660文字。
この場合、まずは123をひととおり下書きしてみて、文字数が足りなければ0の本を選んだ理由を加えるのが効率的です。
文字数がそこそこの場合(800文字程度)
3年生以上になると、1~2年生よりは多めに書くことになります。
この場合、0123の行程をひととおり書いてみるといいでしょう。
足りない場合は、
012123
このように、1と2を繰り返し、0と3でサンドします。
0と3は増やしません。
増やすとししても少しだけ。
というか、増やしてもきれいに仕上がりません。
文字数を増やしたいときは、心に残ったところと、自分の経験をリンクさせて文の数を増やしましょう。
3.下書き【文章を書いてみよう!】
さあ、それでは文章を書いていきましょう!
まずはじめに、いちばん書きやすいところから文章にします。
頭から順番に書かず、書きやすいところからトライするのがポイント。
書き出しのひとことって意外と思い付かないものです。すぐに思い浮かばない場合は、後回しにしましょう。
下書きなので、失敗しても大丈夫。気楽にいきましょう。
文章は、前回の読書メモを見ながら書きます。こんなふうに切って使うのも手。
上のように、読書メモを下書き用の原稿用紙にホッチキスで止めておき、場面ごとに文章を書いていきます。
文章ができたら、パズルのように上手く組み合わせます。
読み直してみて、誤字脱字や不自然な文章がないかなどチェックしましょう。
読書感想文の例文
読書感想文で使えそうな例文を作りました。
意外と困るのが、書き出し。
書き出しを多めに作ったので、ぜひアレンジして使ってください。
「0この本を選んだ理由」の例文
・題名から連想
「わたしは○○が大好きです。いつも○○を楽しみにしています。この本は○○という題名で、どんなお話か気になったので読んでみることにしました。」
・題名に家族、ペットの名前が入っている場合
「うちのお母さんは怖いです。いつもちょっとしたことで怒ります。この本のお母さんはどんな人なんだろうと思ったので、読んでみることにしました。」
「わたしはおばあちゃんと一緒に住んでいます。よくおやつにドーナツを買ってくれる、やさしいおばあちゃんです。この本の主人公○○のおばあちゃんはどんな人なのか気になったので、読んでみようと思いました。」
「わたしは犬を飼っています。犬の名前は○○です。この本の△△という犬はどんな犬か気になったので読んでみることにしました。」
・表紙の絵から連想
「表紙の○○は大きな口を開けて何か言っています。何を言っているんだろうと気になったので、読んでみることにしました。」
「1心に残ったところ」の例文
「主人公○○は勇気があると思いました。もしわたしが○○だったら○○と同じことはできません。」
「2自分の経験と重ねあわせる」の例文
「ぼくも、主人公の○○と同じで野球をしています。もし自分が○○と同じ状況に立たされたとき、△△ができるでしょうか。ぼくは、きっとこわくて動けないと思います。」
「3本を読んで得た学び」の例文
「この本を読んで、○○することは大切だとわかりました。主人公△△のように、頑張ってみようと思います。」
4.清書する【提出用の原稿用紙に書く】
下書きを済ませたら、こっちのもの。
清書は、そんなに大変ではありません。
カレーライスでいうと、美味しそうに盛り付けるところです。
以下のポイントに気をつけて仕上げましょう。
□書き出しは2、3マスあける
□名前は、姓と名、名の下を1マスあける
□段落を変えたら1マス下げて書き始める
これで完成!
まとめ
いかがでしょうか。
今回は【実践編 2】ということで、実際に文章を作り、提出用の原稿用紙に清書するところまで見ていきました。
読書感想文の基本となる構成はこちらです。
- 0 この本を選んだ理由
- 1 心に残ったところ
なぜ心に残ったか - 2 自分の経験と重ねあわせる
そのときどう感じ、どういう行動を起こしたか - 3 本を読んで得た学び
これからどうしたいか
文章は、頭から書き始めることにこだわらず、書けるところからどんどん書き進めましょう。最後に文章を組み合わせればOK。
参考になれば幸いです。
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